上映作品の解説:第1回ニッポン建設映像祭

「大阪瓦斯ビルディング 建設の記録」
昭和初期の建設現場を捉えた貴重な記録。モダニズムの名作が、ほとんど人力でつくられていく様は圧巻。現場で繰り広げられる職人達の名人芸を見よ!大阪瓦斯ビルディングはこうやってつくられた! 安井武雄も登場。
(所在地=大阪市中央区/設計=安井武雄建築事務所[現・安井建築設計事務所]/施工=大林組)

 

「新しいまち船場 船場センタービル」
大阪万博の1970年、都心部でこれほどの大工事が行われていたとは! 全長1kmにわたってビルを建設し、その上に高架道路を載せて環状線と連結、更に地下鉄をも通す壮大なプロジェクト。当時の船場の町並みにも注目。
(所在地=大阪市中央区/設計=日建設計工務、大阪建築事務所/施工=竹中工務店、大林組、大成建設、清水建設ほか)

 


「千里山団地建設記録」
日本住宅公団最初期の団地、千里山団地の造成前の風景から建設の様子そして竣工後の暮らしぶりまで紹介。うなるブルドーザー! 疾走する猫車! 「夢の住まい」実現に挑む公団と工事関係者の熱意が、スクリーンからほとばしる。
(所在地=大阪府吹田市/設計=久米設計/施工=大林組、戸田組、奥村組、熊谷組、鍵仲建設、三井建設)

 


「大林組と万国博」
千里丘陵の造成から万博開幕までを、大林組が担当した19のパビリオンを中心に紹介。現場を統括する総合工事事務所は戦場のよう。クライマックスはお祭り広場の「大屋根リフトアップ」。現場には緊張感が漲り、そして歓喜の瞬間が…。
(所在地=大阪府吹田市/設計=丹下健三ほか/施工=大林組ほか)


[現在の万博公園]


「東京タワー」
身のすくむ高さで平然と作業するトビたち。世界最高の自立式鉄塔を実現したのは、彼らの伝統の技だった。見下ろせば、映画「ALWAYS三丁目の夕日」で描かれた昭和30年代初めの東京の風景が広がる。これが昭和の真実だ。
(所在地=東京都港区/設計:内藤多仲、日建設計/施工=竹中工務店)


[現在の東京タワー]


「東京カテドラル」
技術の追求と空間の美しさが高度に統合された独特のシェル構造。その施工プロセスが余すことなく明かされる。ロープ一本で吊られて曲面壁を仕上げる職人集団の様子は圧巻。オー、ジャパニーズ・ケンセツ・ニンジャ!
(所在地=東京都文京区/設計=丹下健三/施工=大成建設)