企画主旨

本イベントは日本の近代都市の建設過程を克明に捉えた工事映像記録を一堂に集め、迫力ある映像で現場のダイナミズムを目の当たりにし、わたしたちの都市の成り立ちと歴史について、あらためて考えてみようとするものです。UCFAの結成記念を兼ねた第1回は、歴史的建築物である大阪ガスビルを会場に、大阪の代表的な建築や開発記録を中心に上映します。また当時の時代背景や建設技術などについて理解を深めるため、専門家や現場を知る方などに解説を加えていただきます。

アンダーコンストラクション・フィルムアーカイブ(UCFA)は、建築関係の研究者、設計者並びに編集者らによって設立された、日本の建設開発史研究を目的とする非営利の任意組織です。その名の通り、近代都市開発の歴史を紐解く資料としての「工事映像フィルム」に着目し、その体系的な収集及び保存によって、近代都市の形成過程を浮き彫りにすることを目的としています。

このような工事映像フィルムは建築関係者でも限られた人しか観たことがなく、一般市民の目に触れることは極めて稀です。しかも建設会社や建築主の倉庫に死蔵されたまま、フィルムが劣化して再生困難となるものも少なくありません。しかし多くの人間の手によってひとつの建物が完成していく様を捉えた映像記録は、誰をもワクワクさせる第一級のドキュメンタリーであり、20世紀の日本を築いた現場の記録映像は、第一級の歴史資料です。

私たちは上記の主旨により、映像記録を所有する建設会社や各企業・団体の協力を得て、上映会を開催いたします。専門家だけでなく、一般の方々にも参加を呼びかけます。